私は子供の頃から親にあまり言い分を聞いてもらった記憶がありません。
共働きで忙しいこともあったようですが
それ以上に子どもの言い分を聞く、と言う習慣があまり無かったようなのです。
子ども側としてはちゃんと言い分を聞いてもらえないと
- とにかく悲しくなる
- 気持ちをうまく出せなくてそのうちイライラしてくる
- 自分には気持ちを聞いてもらえるだけの価値がないと思ってしまう
- どう気持ちを伝えれば良いかわからなくなって感情表現が下手になる
- 相手の感情を読み取ることも下手になる
- 人とコミュニケーションをとるのが苦手になる
など、負のスパイラルにはまって
我ながら自己肯定感とかコミュニケーション能力が
うまく育っていなかったなあと大人になってから振り返っています。
それらを大人になってから克服していくのは大変なことです。
子どもの言い分を聞くって大切だなとつくづく思った
以前小児科で働いていた時のお話です。
入院しなければならないけれど親御さんが付き添いすることができなくて
ひとりで入院しなければならない幼い子どもたちは
当然のことながら最初は泣き続けてしまいます。
特にまだ1~2歳の子供たちに対しては
いくら説明したとしても
何でお母さんと引き離されたのか状況がわからず、
抱っこしてもなぐさめても
「ママがいい」と泣きながら繰り返し言い続けるのです。
話せるようになったばかりの子が2語文を精一杯使って繰り返し言うのです。
とても切ないことです。
そこで、その子どもたちに私がどうしていたかと言うと、
この言葉を言うだけです。
子どもの目線でしっかり伝えるのです。
他の説明とかは要らなくてこの言葉を返すだけなのです。
そうすると子どもたちはずっと泣いていたのに
ピタッと泣き止んで、今度は
しっかりとした顔をしているのでした。
我慢してこらえているのだろうとは思うのですが、
それ以上に自分の言いたいことと気持ちを聞いてもらったぞ!
と言う表情に私には見えました。
この時のことを思い返してみて考えることがあります。
幼い子供たちはまだ言葉が上手に話せないうえに
自分の今の気持ちがどんな状態なのかを理解することも難しくて
そしてその気持ちを話して表現することもできません。
そうすると泣くとか怒ることでしか表現できないのです。
なので、あなたのその気持ちをちゃんと聞いているよ、わかっているよと
そういう姿勢をこちら側が見せることが改めて大切だと思ったのです。
相手が何歳であろうが同じなんですよね。
自分の言い分がわかってもらえたと思ったら安心できますもんね。
安心できるとその後の生活(この場合は入院生活)が
ほんのちょっと楽に感じられるんじゃないでしょうか?
これがまた自分の子供になると難しいこともあります。
もちろん私たち親だっていつも落ち着いて
子どもの話しを聞くことは難しいですよね。
ましてや相手が泣いたり怒ったりしてすごく感情的になっていたら特に。
これは聞く方にも練習が必要です。
幼い子ども達が泣いたり怒ったりしている時は
そばに近づいて子どもの目線まで降りて
そしてじっと目を見て
「かなしいの?」とか「おこってるの?」とか聞いてみてください。
「うん。」ってうなずいたら
「そうか、かなしいんだね。」「おこってるんだね。」
って答えるだけです。
きっと相手は受け止めてもらえたという満足感が得られて落ち着くと思います。
これはちょっとしたコツとか経験でできるものでもあるんです。
私は仕事の場でそういうやりとりを経験したから
それをちょっと知ってるだけなんです。
だから最初は上手くいかなくても苦手でも何回か繰り返していくうちに
きっと子どもの話を聞いて気持ちを受け止めることが
できるようになると思います。
そうすると子どもたちも大人の話をよく聞くことができるようになったり
コミュニケーションの仕方に悩まされることが少なくなるかもしれません。
上手く伝えられたかはわからないのですが
今日はこのことがどうしても書きたくなってしまいました。
私の長々とした経験談をお読みいただきありがとうございました。